「TPPってどうなるの?」
TPPについて卒業研究をしたいという学生さんに対して、私は2、3年前から、「TPPに賛成・反対、ましてまとまるかどうかなんてどうでもいいんだよ?」と言っています。
日本がTPPに乗ると言い出した時から、アメリカのメディアは日本が混合医療などどの具体的問題について譲歩するのか注目する記事を書いてきました。全体としてまとまるかどうかは、それに比べれば大した問題ではありません。言い換えれば、日米あるいはもっと多国間で、以前から存在した対立点について新たな合意ができたとき、それにTPPという名前がついているかどうかは、あまり問題ではないのです。
「TPPに賛成ですか反対ですか」と聞かれたら、私は「まとまるわけがないと思っている」と答えています。現在のP4協定を変質させかねない、互いに聖域を認め合うような提案を日米は話し合っているようですし、現在のTPPと新しい枠組みを切り離そうという話がいずれ出てくるんではないかと思っています。そしてそれは、実際に何が合意されるかという話とは、別なのです。
付記 リンクしたニュースそのものは、経財相が「具体的な協議をしたわけでも結論を出したわけでもない」とあとで述べており、信ぴょう性には留保をつけて読むべきでしょう。