ゼミ生諸氏が就職活動をするにあたっての一般的な注意

 来年度講義準備中。こんなものも用意しております。近年似たようなことを毎年言っているので文書にしてみました。

    • 1.落ちても気にしすぎない。ただし社会の常識というものは厳然とある。

「人事学部」「就職面接学科」など存在しない。ほとんどの皆さんの就職先は、採用活動が本業というわけでもない。だから数社に一社はダメなアマチュア担当者に当たるものと思ったほうがよい。
 ただ、職域の異なる社会人と学生の就職事情や採用基準について話し合うと、多くの相手が似たようなことを言うことはよく経験する。それが「正しい」とは限らない。その時期その時期で、世間が一つの方向にゆがむということも含めて、欲しがられる学生はどこでも欲しがられる現実はある。

    • 2.他者の身になって考えられるように。

 例えば待ち合わせに遅刻すると、相手は無駄な時間を過ごすことになる。遅刻の理由が何であっても相手の迷惑が減るわけではない。謝ることは大事だが、相手のロスを最小限にするため、早く連絡を入れることはさらに重要だし、そんなことを起こさないよう余裕を持った移動を計画することはもっと大切である。
 社会人は誰であっても、チームで一定の成果を約束する。ブラック企業でなくても、泣きながらアクシデントを処理することは必ずある。自発的にリスクを軽減し、処理しようとしない人、自分の言われたことしかやろうとしない人は、チームの危機に手を出そうとしない人に見えるから、チームに来てほしいと言われない。このまま行くと他者の身に何が起こるのか、言われなくても考える習慣をつけてほしい。

    • 3.変な人だと思われないように。

 就職すると、その職場の名刺を持ち、その看板の下で仕事をする。社章のバッジを付けることも多い。自分がやったことはすべて、世間では「あの会社の人がやったこと」になる。だから企業は「いい人を採るより、地雷を採らないことを優先する」ことも多い。「そのために(多くの従業員を見てきた管理職たちによる)最終面接があるんだ」と某社の管理職に言われたこともある。
 靴を磨かない、ひげをそらないといった個々のサインは仕事の能率には響かないとしても(食べ物商売、客商売だとそうも言っておれない)、起床時の習慣もコントロールできないハイリスクグループに属していることをアピールしてしまう。皆さんが変な人であるかどうかは大学の関知するところではない。しかし変な人に見えないようにはしてほしい。