経済学概念の分かりにくさ
公取委 企業合併緩和、シェア基準を維持
http://www.asahi.com/business/update/0123/003.html
公取委がHHIで見た基準を緩和し、同時にシェア基準を廃止しようとしたら、経済産業省が「緩和したことが分かりにくい」と反対し、現行のままのシェア基準が残ることになったという話。
分かりにくいですね(笑)。
HHIのように「直感的に分かりにくい」話は経済学にはたくさんあります。最新のマクロ経済学なんかはルーカス批判を克服しようとして進化しているわけですが、ルーカス批判というやつがパッとわかるにはかなり直観力が必要で、それを回避したDSGEモデルなんかは数学的に完全に高校数学を超えていますから、もう用語レベルで文系不可。
あまり数学の分かりそうにないエコノミストとDSGEが頭に入った研究者が対話をすると、筋が通っているのはDSGEのほうなのですが、DSGEから出てくる結論がなかなか日常用語とつながりません。日常の経済用語は非定常な概念だらけなので。
そこを埋めなくていいのかと。
その溝があること自体が、経済学の生き残りにとってヤバいんだという感覚が、どれだけ広がっているのやら。