日米金利差とアメリカ国債消化

 現在、アメリカ国債を最も多く保有している外国は中国、次いで日本です。最近「予期しない円高に直面して」金融取引で損失を出した中京圏の私立大学がありましたが、円高になると「すでに」外貨建て資産を持っている人は損をします。円に戻したときの額が小さくなるからです。

 アメリカ国債を海外資金で円滑に消化するには、金利差と為替が重要です。つまりアメリカが相対的に高金利で、ドル安期待を持たせないことです。

 サーチナは日本の民間企業ですが、中国の国営メディアから一部のニュース提供を受けています。http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=1208&f=business_1208_008.shtml:Title=商務部長、人民元切り下げによる輸出促進を否認は、今月初めの米中戦略経済対話で中国側出席者が「最近のドル高・人民元安は自然な市場による調整で、中国政府が輸出に有利なように為替を誘導したせいではない」と主張し、「熱く議論された」と伝えています。逆に言えば、アメリカ側出席者はその疑いを口にし、貿易黒字を縮小する方向の人民元高・ドル安誘導を迫ったと推察できます。

 12月17日(日本時間)のアメリ政策金利引き下げで金利差が縮小し、急速なドル安が起きました。アメリカ国債の消化は大丈夫なのか、と私は思いました。

 しかしどうやら大丈夫のようです。http://www.miller.co.jp/cgi-bin/member/chartl.cgi?0510I:Title=米国10年国債の利回りを見ると、11月後半から急激に低下しています。債券利回りの低下は、債券価格の上昇。つまりアメリカ国債を欲しがる人が急に増えてきたことを示します。ある意味、誰を信用していいかわからなくなったアメリカ企業や銀行が盛んに国債を買っていることが国債価格を上げ、思い切った金利差解消を可能にしたといえそうです。