バブルキャリア

 世界のストックが巨大になりすぎ、その移動と消長がフローの市場(要するに景気)を乱してしまうのが最近のパターン。

 中国の不動産を中心とするバブルを懸念する記事は最近良く見かけるようになりましたが、今度はオーストラリアでも。

Australia Tries to Avoid a Housing Bubble(Wall Street Journal Aug 3, 2009 By JAMES GLYNN )

 そういえばオーストラリアドルは最近高いですね。オーストラリアの輸出先第一位は中国で、中国の景気が良くなるとオーストラリアは確かに「買い」なのですが。

 いっぽう、投資ファンドは巨額の有利子負債を抱え、世界的にリファイナンスが課題になっているとか。

Private equity groups in $400bn of debt (Financial Times August 2 2009 By Lina Saigol and Martin Arnold)

 巨額の有利子負債を抱えて「税金を払わない成長重視の経営」として知られた会社がかつて日本にもありましたね。投資ファンドは企業の支配権を握れるほどの株式を一気に買って、経営再建なり含み益資産の切り売りなりを進める仕事ですから、自由になる資金をキープしておく必要があります。値上がりさせて売り払える資産が見つからなくなると、有利子負債が収益を圧迫し、リスキーな借り手だとみなされて高い利子でしか借りられない悪循環が始まります。

 アメリカの金融機関へのストレステストが「おおむね問題なし」の甘い結果になってかえって不良債権処理が急がれなくなり、大型倒産の火種が残ったとも言われますが、新たなバブルにのめりこんで止めを刺されるファンドや金融系企業が出ないことを祈ります。